内容

亡くなった叔母の遺品、一幅の風景画を見たタペンスは奇妙な胸騒ぎをおぼえた。描かれている運河のそばの一軒家に見覚えがあったのだ。悪い予感を裏づけるかのように、絵のもともとの所有者だった老婦人が失踪した……初老を迎えてもますます元気、冒険大好きのおしどり探偵トミーとタペンス、縦横無尽の大活躍!
(早川書房 クリスティー文庫)

トミーとタペンスは冒険心旺盛な初老の夫婦。今は亡きエイダ叔母のいた養老院を訪れた時、タペンスは叔母の部屋にこ掛かっていた一幅の風景画に胸騒ぎを覚えた。絵の中の運河のそばの淋しい人家に見覚えがあったのだ。そして今、絵の所有者ランカスター夫人が失踪した!タペンスは、変に親指がずきずきして何か悪いことが起こりそうな予感に襲われる……おしどり探偵トミーとタペンスが縦横無尽に活躍する女史後期の佳作
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)
目次
- 第一部 サニー・リッジ
- 1. エイダ叔母さん
2. あなたのお子さん?
3. 葬儀
4. 一枚の絵
5. 老婦人の失踪
6. タペンス捜索にのりだす - 第二部 運河の家
- 7. 善意の魔女
8. サットン・チャンセラー
9. マーケット・ベイジングの朝 - 第三部 失踪――主婦
- 10. 会議―そしてその後
11. ボンド街とマレイ博士
12. トミー旧友に会う
13. アルバート手がかりを追う - 第四部 教会があって塔がある 扉をあければ人がいる
- 14. 思考演習
15. 牧師館の一夜
16. 一夜明けて
17. ランカスター夫人
登場人物
タペンス・ベレズフォード | 主人公 |
トミー・ベレズフォード | タペンスの夫 |
エイダ・ファンショウ | トミーの叔母 |
ミリセント・パッカード | サニー・リッジの園長 |
ジュリア・ランカスター夫人 | サニー・リッジの入寮者 |
エイモス・ペリー | 《運河の家》の住人 |
アリス・ペリー | エイモスの妻 |
フィリップ・スターク | プライオリ荘のかつての住人。大地主 |
ネリー・ブライ | 町の活動家 |
ジェームズ・エクルズ | ランカスター夫人の弁護士 |
エンマ・ボスコワン | 画家の未亡人。彫刻家 |
アルバート・バット | ベレズフォード家の召使い |
アイヴァー・スミス | トミーの旧友 |
映像化
- 奥さまは名探偵 Mon petit doigt m'a dit...
- 2005年 フランス
- 監督:パスカル・トマ 脚本:フランソワ・カヴィリオーリ、ナタリー・ラフォリ、パスカル・トマ
- 出演: カトリーヌ・フロ(プリュダンス)、 アンドレ・デュソリエ(ベリゼール)、 ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド(ローズ)、ヴァレリー・カプリスキー、ローラン・テルジェフ、アレクサンドラ・スチュワルト
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- 親指のうずき By The Pricking Of My Thumbs
- 「アガサ・クリスティー ミス・マープル」Agatha Christie's MARPLE Series 2
- 放送(英ITV):2006年2月19日
- 監督:ピーター・メダック 脚本:スチュアート・ハーコート
- 出演: ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、 アンソニー・アンドルーズ(トミー)、 グレタ・スカッキ(タペンス)、 パトリック・バーロウ(ティモシー)、 マイケル・ベグリー(イーサン)、 スティーブン・バーコフ(エクルズ)、 クレア・ブルーム(エイダ叔母さん)、 ブライアン・コンリー(エリック)、 チャールズ・ダンス(セプティマス)、 O・T・ファグベンル(クリス)、 クレア・ホルマン(ミス・パッカード)、 ミリアム・カーリン(マージョリー)、 ボニー・ラングフォード(ベティ)、 ジョシー・ローレンス(ハンナ)
翻訳履歴
1970 『親指のうずき』深町眞理子訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(1131)(+小林信彦「46年後のトミーとタペンス」)
1976 『親指のうずき』深町眞理子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-10) 解説:小林信彦「ストーリー・テラーとしてのクリスティー」 表紙:真鍋博
2004 『親指のうずき』深町眞理子訳 早川書房(クリスティー文庫49) 解説:竜弓人 ISBN:9784151300493