“トミーとタペンス”シリーズ3作目となる第2長編。
1941年、Woman's Pictorial (26 April ～ 7 June 1941)に「Secret Adventure」のタイトルで連載された後、同年11月にCollins社から「N or M ?」のタイトルで刊行された。
米国では1941年、簡略版がRedbook (March 1941)に掲載され、単行本がDodd, Mead社から刊行された。
日本語初訳は1957年の『NかMか』(赤嶺弥生訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。
このシリーズは
『秘密機関』→
『おしどり探偵』→
『ＮかＭか』→
『親指のうずき』→
『運命の裏木戸』の刊行順で読むことを推奨します。
早川書房
(日本語版翻訳権独占)1957
探偵小説読者にはあまりにもおなじみのイギリス本格探偵小説の巨匠アガサ・クリスティー女史についてはもうここで云々する必要もあるまい。 六十冊を越えるそれぞれ独創的な作品を書き、現在老いてますますさかんな腕の冴えを見せている。 クリスティー女史の作品には何人かの探偵が登場する。 探偵小説読者なら知らぬものはない小柄のベルギー人エルキュール・ポアロ、穿鑿ずきの老嬢ミス・ジェーン・マープル、身の上相談を職業にするパーカー・パイン、クリスティーのスパイものに多く登場するロンドン警視庁の首席警部バトル、不可思議なスーパーマン的人物ミスター・キンなどだが本書にはじめて登場したおしどり探偵トミイとタペンスもその一組である。 二人は、SECRET ADVERSARYで結婚し、PARTNERS IN CRIMEの一篇で私立探偵を開業した素人探偵で、シャーロック・ホームズを探偵の開祖として崇めている愉快な夫婦である。 トミイとタペンスは例の軽快な諷刺と滑稽味とをふんだんにふりまきつつ少女の誘拐事件に端を発した国際的スパイ事件へとまきこまれてゆく。
NかMか
赤嶺弥生訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(308)探偵小説読者にはあまりにもおなじみのイギリス本格探偵小説の巨匠アガサ・クリスティー女史についてはもうここで云々する必要もあるまい。 六十冊を越えるそれぞれ独創的な作品を書き、現在老いてますますさかんな腕の冴えを見せている。 クリスティー女史の作品には何人かの探偵が登場する。 探偵小説読者なら知らぬものはない小柄のベルギー人エルキュール・ポアロ、穿鑿ずきの老嬢ミス・ジェーン・マープル、身の上相談を職業にするパーカー・パイン、クリスティーのスパイものに多く登場するロンドン警視庁の首席警部バトル、不可思議なスーパーマン的人物ミスター・キンなどだが本書にはじめて登場したおしどり探偵トミイとタペンスもその一組である。 二人は、SECRET ADVERSARYで結婚し、PARTNERS IN CRIMEの一篇で私立探偵を開業した素人探偵で、シャーロック・ホームズを探偵の開祖として崇めている愉快な夫婦である。 トミイとタペンスは例の軽快な諷刺と滑稽味とをふんだんにふりまきつつ少女の誘拐事件に端を発した国際的スパイ事件へとまきこまれてゆく。
1978
情報部から秘密裏にナチスの大物スパイ〈NかM〉の正体をつきとめるよう依頼を受けたトミーは奮い立った。だが、長年おしどり探偵として活躍してきたタペンスにも今度ばかりは打明けられない。気の毒とは思いながらも、トミーは南イングランドに赴いた……しかし、タペンスとて一筋縄で行く女ではない。得意の機知で夫の行動を探り当て、騙されたふりをしてトミーの任地へ先まわり。なんとか情報部を説得した二人は、かくて大規模なナチス・スパイ網のまっただなかに飛びこんでゆく。ユーモアに溢れる異色冒険スリラー。
解説：「異色の夫婦探偵」
表紙：真鍋博
NかMか
深町眞理子訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-42) ISBN:9784150700423情報部から秘密裏にナチスの大物スパイ〈NかM〉の正体をつきとめるよう依頼を受けたトミーは奮い立った。だが、長年おしどり探偵として活躍してきたタペンスにも今度ばかりは打明けられない。気の毒とは思いながらも、トミーは南イングランドに赴いた……しかし、タペンスとて一筋縄で行く女ではない。得意の機知で夫の行動を探り当て、騙されたふりをしてトミーの任地へ先まわり。なんとか情報部を説得した二人は、かくて大規模なナチス・スパイ網のまっただなかに飛びこんでゆく。ユーモアに溢れる異色冒険スリラー。
解説：「異色の夫婦探偵」
表紙：真鍋博
登場人物
| タペンス・ベレズフォード トミー・ベレズフォード | 冒険好きな夫婦 |
| デリク デボラ | ベレズフォード夫妻の子供 |
| アルバート | パブの主人 |
| アイリーン・ペレナ | 無憂荘の女主人 |
| シーラ・ペレナ | ペレナ夫人の娘 |
| オルーアク夫人 | ＜無憂荘＞の滞在客 |
| ブレッチリー少佐 | ＜無憂荘＞の滞在客 |
| カール・フォン・ダイニム | ＜無憂荘＞の滞在客。ドイツ人 |
| ソフィア・ミントン | ＜無憂荘＞の滞在客 |
| パトリシア・ブレンキンソップ | 無憂荘の住人。タペンスの変名 |
| アルフレッド・ケイリー | 無憂荘の住人 |
| エリザベス・ケイリー | 無憂荘の住人 |
| スプロット夫人 | 無憂荘の住人 |
| ベティ・スプロット | スプロット夫人の娘 |
| ヘイドック | 無憂荘の隣人。海軍中佐 |
2004
情報部からナチの大物スパイ〈NとM〉の正体を秘密裏に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。だが、タペンスとて一筋縄でいく女ではない。騙されたふりをして先回り。かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに……スリル満点の冒険ミステリ。
解説：渡辺武信「スパイごっこを楽しむ愛すべき中年夫婦─“トミーとタペンス”シリーズについて」
NかMか
深町眞理子訳 早川書房 クリスティー文庫(48) ISBN:9784151300486情報部からナチの大物スパイ〈NとM〉の正体を秘密裏に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。だが、タペンスとて一筋縄でいく女ではない。騙されたふりをして先回り。かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに……スリル満点の冒険ミステリ。
解説：渡辺武信「スパイごっこを楽しむ愛すべき中年夫婦─“トミーとタペンス”シリーズについて」
映像化
テレビドラマ
監督：エドワード・ホール 脚本：クレア・ウィルソン
出演： ジェシカ・レイン(タペンス)、 デヴィッド・ウォリアムス(トミー)、 ジェームズ・フリート(カーター)、 マシュー・スティア(アルバート)、 ハンナ・ワディンガム、 クリスティーナ・コール(スプロット夫人)、 イーファ・マクマホン(シーラ・ペレナ)、 ロイ・マースデン(ヘイドック中佐)、 エドワード・スペリーアス(カール・ダイニム)、 ピナー・オガン、 ダニー・リー・ウィンター、 マイルズ・ラフリー(ジョージ)、 アリー・カーン、 ロバート・ハンズ、 アイシー・ヴァン・ランドウィック、 タム・ウィリアムズ
NかMか N or M?
2015年 英BBC(全3回) 「トミーとタペンス -２人で探偵を-」Partners in Crime ｜
監督：エドワード・ホール 脚本：クレア・ウィルソン
出演： ジェシカ・レイン(タペンス)、 デヴィッド・ウォリアムス(トミー)、 ジェームズ・フリート(カーター)、 マシュー・スティア(アルバート)、 ハンナ・ワディンガム、 クリスティーナ・コール(スプロット夫人)、 イーファ・マクマホン(シーラ・ペレナ)、 ロイ・マースデン(ヘイドック中佐)、 エドワード・スペリーアス(カール・ダイニム)、 ピナー・オガン、 ダニー・リー・ウィンター、 マイルズ・ラフリー(ジョージ)、 アリー・カーン、 ロバート・ハンズ、 アイシー・ヴァン・ランドウィック、 タム・ウィリアムズ