
英初版:Collins 1936年
米初版:Dodd, Mead 1936年
『オリエント急行の殺人』を先に読んでおくことを推奨します。
内容

考古学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込んだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言する。だが、それらは不可思議な殺人事件の序曲にすぎなかった……過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴けるか? 中近東を舞台にした作品の最高傑作、新訳で登場
(早川書房 クリスティー文庫〔新訳版〕)

考古学者と再婚したルイーズの元に、死んだはずの先夫から脅迫状が舞いこんだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を目撃したと証言する。が、それら不可思議な殺人事件への序曲にすぎなかった……。過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴くことができるのか?中近東を舞台にしたクリスティー作品の最高傑作
(早川書房 クリスティー文庫)

ルイズの初めての結婚は悲惨を極めた。その思い出から逃れようと、考古学者レイドナー博士と結婚した彼女のもとに、殺された先夫からとしか思えない奇怪な脅迫状が舞い込みはじめた。そして古代アッシリアの古蹟調査のため、夫とともにイラクへ渡ったルイズを追いかけて、ついには死を予告する不吉な手紙がきたのだ。こうして、ポアロが“幻想的な犯罪”と称したこの不可思議な殺人事件の幕は切っておとされた。殺人鬼の悪魔の知恵とポアロの灰色の脳細胞とはすさまじい緊張のうちにあい対することとなった。中東を舞台にした作品中の最高傑作
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)

イラクで遺跡発掘中の調査団の中で事件が発生した。犯人はもとより殺人方法も見当のつかない怪事件が。たまたま現地に来ていたエルキュール・ポワロが調査を開始した。彼は第二の殺人の発生を警戒した。殺人は癖になるからだ。懸命な捜査にもかかわらず第二の変死事件が起きた。ポワロの頭に真相がひらめく。意外な犯人とトリックが……。
(東京創元社 創元推理文庫)
目次
前書き
1. 序章
2. エィミー・レザランの前書き
3. 噂
4. 私はハッサニーに到着した
5. テル・ヤリミヤ
6. 最初の晩
7. 窓から覗く男
8. ある夜の驚き
9. レイドナー夫人の話
10. 土曜の午後
11. 奇怪な事件
12. 私は信じなかった
13. エルキュール・ポアロきたる
14. この中のひとりが?
15. ポアロの説
16. 嫌疑
17. 洗面台のそばのしみ
18. 三人でお茶を
19. 新たな疑惑
20. 恋
21. 盗み聞き
22. 修道僧
23. 霊媒
24. 人殺しは癖になる
25. 自殺か、他殺か?
26. 次は私だ!
27. 旅の門出
28. 旅の終り
29. 跋句
登場人物
エリック・レイドナー | 遺跡調査隊長。考古学者 |
ルイズ・レイドナー | エリックの妻 |
エィミー・レザラン | ルイズ・レイドナーの看護婦 |
リチャード・ケアリー | 遺跡調査隊員。イギリス人建築家 |
ディヴィット・エモット | 遺跡調査隊員。アメリカ人 |
ウィリアム(ビル)・コールマン | 遺跡調査隊員。イギリス人 |
カール・ライター | 遺跡調査隊員。アメリカ人 |
ラヴィニ | 遺跡調査隊員。フランス人神父 |
アン・ジョンソン | 遺跡調査隊員。家事担当の英国人 |
ジョーゼフ・マーカド | 遺跡調査隊員 |
マリー・マーカド | ジョーゼフの妻 |
ギル・レイリー | 外科医。バグダッドのハッサニーで開業 |
シェイラ・レイリー | ギル・レイリーの娘 |
アブダラ | 土器洗いの少年 |
メイトランド | ハッサニーの警察署長 |
エルキュール・ポアロ | 私立探偵 |
映像化
- メソポタミア殺人事件 Murder in Mesopotamia
- 「名探偵ポワロ」Agatha Christie's POIROT VIII
- 放送:(英ITV):2002年6月2日 (NHK)2002年1月1日
- 監督:トム・クレッグ 脚本:クライブ・エクストン
- 出演: デビッド・スーシェ(ポワロ)、 ヒュー・フレイザー(ヘイスティングス*1)、 Ron Berglas(レイドナー博士)、 バーバラ・バーンズ(レイドナー夫人)、 Dinah Stabb(アン・ジョンソン)、 Georgina Sowerby(エィミー・レザラン)、 Jeremy Turner-Welch(ビル・コールマン)、 パンドラ・クリフォード(シェイラ・メイトランド*2)、 Christopher Hunter(ラヴィニ神父)、 クリストファー・ボウウェン(リチャード・ケアリー)、 イエイン・ミッチェル(メイトランド警察署長)、 Alexi Kaye Campbell(ジョーゼフ・マーカド)、 Deborah Poplett(マーカド夫人)、 Kamel Touati(Squat man)、 Hichem Rostom(Hotel Receptionist)
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- *1 ヘイスティングスは原作に登場しない。
- *2 シェイラは父親のギル・レイリー医師がドラマ化でカットされたため、メイトランド警察署長の娘として登場。
翻訳履歴
1957 『メソポタミヤの殺人』高橋豊訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(298)
1976 『メソポタミヤの殺人』高橋豊訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-5) 解説:数藤康雄「中近東のクリスティー」 表紙:真鍋博 ISBN:4150700052
1978(1985) 『殺人は癖になる』厚木淳訳 創元推理文庫 訳者あとがき
1978(1995) 『殺人は癖になる』厚木淳訳 創元推理文庫 訳者あとがき 表紙:ひらいたかこ
※2003年改版 ISBN:9784488105402
1986 『メソポタミア殺人事件』蕗沢忠枝訳 新潮文庫 解説:蕗沢忠枝 ISBN:410213512X
2003 『メソポタミヤの殺人』石田善彦訳 早川書房(クリスティー文庫12) 解説:春日直樹 ISBN:9784151300127
2008 『メソポタミヤの殺人』田村義進訳 早川書房(クリスティー・ジュニア・ミステリ3) ISBN:9784152088864
2020 『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人』田村義進訳 早川書房(ハヤカワ・ジュニア・ミステリ) ISBN:9784152099235
2020 『メソポタミヤの殺人〔新訳版〕』田村義進訳 早川書房(クリスティー文庫) ISBN:9784151310126