
英初版:Collins 1929年
米初版:Dodd, Mead 1929年
内容

ロンドン郊外のチムニーズ館に宿泊していた若い外交官が、睡眠薬を飲んで変死した。死体の枕もとには七つの目覚まし時計が……この事件と、謎めいた〈セブン・ダイヤルズ・クラブ〉の関連は?謎は謎を呼び、推理と冒険が入り乱れ、事件は思わぬ展開を!『チムニーズ館の秘密』に続く、波瀾万丈の冒険ミステリ
(早川書房 クリスティー文庫)

鉄鋼王の招きでチムニーズ館に滞在していた四人の青年のうち、いちばんのろまなジェリーが、睡眠薬の飲み過ぎで死んでいた。現場に物知り顔にならんだ七つの目覚し時計は何を物語るのか?また謎のセブン・ダイヤルズ・クラブとこの事件の関連は?謎は謎を呼び、親友の死に心痛める外交官ビル、館主の娘バンドル、バトル警視など入り乱れての推理と冒険のうちに、事件は意外な方向へと……女史得意のスパイ・スリラー
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)

鋼鉄王クート卿によってチムニーズ荘に招かれた青年のうち一人だけが翌朝になっても目を覚さなかった。仲間がいたずらをして八個の目覚しをかけておいたのだが、青年は睡眠薬を飲んで死んでいた。そして枕もとの目覚しは七個しかなかった。すると、もう一個はどこへいったのか? また、秘密結社セブン・ダイヤルズとは一体、何なのか?
(東京創元社 創元推理文庫)
目次
1. 早起きについて
2. 目ざまし時計について
3. 不成功に終わったいたずら
4. 手紙
5. 路上の男
6. セブン・ダイヤルズふたたび
7. バンドル訪問す
8. ジミーへの訪問客
9. 計画
10. バンドル警視庁へ行く
11. ビルとの夕食
12. チムニーズ館での調査
13. セブン・ダイヤルズ・クラブ
14. セブン・ダイヤルズの会合
15. 検死審問
16. ワイヴァーン荘のパーティ
17. 晩餐のあとで
18. ジミーの冒険
19. バンドルの冒険
20. ロレーンの冒険
21. 書類もどる
22. ラッキー伯爵夫人の陳述
23. バトル警視動きだす
24. バンドル思案する
25. ジミー計画を練る
26. 主としてゴルフについて
27. 夜の冒険
28. 疑惑
29. ジョージ・ロマックスの奇妙な行動
30. 緊急召集
31. セブン・ダイヤルズ
32. バンドル仰天す
33. バトル絵解きをする
34. ケイタラム卿承認を与える
登場人物
サー・オズワルド・クート | 鉄鋼王 |
マライア・クート | オズワルドの妻 |
ルーパート(ポンゴ)・ベイトマン | オズワルドの秘書 |
ケイタラム卿 | チムニーズ館の所有者 |
アイリーン(バンドル) | ケイタラム卿の娘 |
トレドウェル | ケイタラム卿の執事 |
ジミー・セシジャー | チムニーズ館の客 |
ビル・エヴァズレー | ロマックス秘書。外交官 |
ロニー・デヴァルー | 外交官 |
ジェラルド(ジェリー)・ウェイド | 外交官 |
ロレーン・ウェイド | ジェリーの妹 |
ジョージ(コダーズ)・ロマックス | 英国外務省高官 |
サー・スタンリー・ディグビー | 空相 |
テレンス・オルーク | 秘書官 |
ヘル・エーバーハルト | 発明家 |
アンナ・ラツキー | 伯爵夫人。ハンガリー人 |
モスゴロフスキー | セブン・ダイアルズ・クラブの経営者 |
バトル | ロンドン警視庁の警視 |
映像化
- 七つのダイヤル(七つの時計) The Seven Dials Mystery
- 「おしどり探偵」Agatha Christie's Partners in Crime
- 放送(LWT):1981年3月8日
- 監督:トニー・ワームビィ 脚本:パット・サンダース
- 出演: ジェームズ・ワーウィック(ジミー・セシジャー)、 ハリー・アンドリュース(バトル警視)、 シェリル・キャンベル(アイリーン・ブレント)、 クリストファー・スクーラー(ビル・エヴァズレー)、 ジョイス・レッドマン(クート夫人)、 ジェイコブ・ウィトキン(モスゴロフスキー)、 ジョン・ギールグッド(ケイタラム卿)、 ルーシー・カタリッジ(ロレーン・ウェイド)、 レスリー・サンズ(サー・オズワルド・クート)
翻訳履歴
1956 『七つの時計』赤嶺弥生訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(235)
1959 『七つの時計』福島正美訳 中学生傑作文庫(学研・中学一年コース付録)
1963 『七つのダイヤル』中村能三訳 創元推理文庫
1963(19??) 『七つのダイヤル』中村能三訳 創元推理文庫 表紙:ひらいたかこ ISBN:9784488105204
1981 『七つの時計』深町眞理子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-60) 訳者あとがき 表紙:真鍋博 ISBN:4150700605
19?? 『冒険家クラブ/七つの時計』福島正美訳 鶴書房・推理小説ベストセラーズ
1986 『七つの時計殺人事件』蕗沢忠枝訳 新潮文庫 解説:蕗沢忠枝 ISBN:4102135146
2004 『七つの時計』深町眞理子訳 早川書房(クリスティー文庫74) 解説:古山裕樹「仮面の下に驚きを」 ISBN:4151300740