
英初版:Collins 1928年
米初版:Dodd, Mead 1928年
内容

走行中の豪華列車〈ブルー・トレイン〉内で起きた陰惨な強盗殺人。警察は被害者の別居中の夫を逮捕した。必死に弁明する夫だが、妻の客室に入るところを目撃されているのだ。だが、偶然同じ電車に乗り合わせたことから、事件の調査を依頼されたポアロが示した犯人は意外な人物だった! 新訳でおくる初期の意欲作
(早川書房 クリスティー文庫)

リヴィエラ行き豪華列車〈青列車〉で陰惨な事件が起った。大富豪令嬢ルスが、客室内で顔面を殴られ絞殺されたうえ、高価なルビーを盗まれたのだ。ロシア女帝の冠を飾ったといういわくつきの代物だ。警察は列車に乗り合せたポアロに調査を依頼する一方、恋人と青列車に乗っていたルスの夫を逮捕した。彼は必死の弁明に努めるが、妻の客室にはいるのを目撃された事実はいかんともしがたい。再び忌わしき青列車に乗り込んだポアロが指摘した意外な犯人とは?『オリエント急行の殺人』と並び、ポアロが列車内の純粋推理を展開する初期の意欲作!
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)

ロンドン=リヴィエラ間の特別急行列車の中で、美貌の富豪夫人が殺された。〈焔の心臓〉といわれるルビーの名玉をめぐる、新しい犠牲者だった。関係者は、破産に瀕した夫、女たらしの愛人、謎の〈侯爵〉。列車内という密室殺人の現場に乗り合わせたのは、ご存知エルキュール・ポワロ。カジノのルーレットがまわり、ポワロの脳細胞もまわりだす!
(東京創元社 創元推理文庫)
目次
1. 白髪の男
2. 侯爵
3. 〈火の心〉
4. カーゾン街にて
5. 役に立つ男
6. ミレール
7. 手紙
8. タムリン子爵夫人の手紙
9. 拒絶
10. 青列車にて
11. 殺人
12. マルグリッド荘にて
13. ヴァン・アルディンへの電報
14. アダ・メイソンの話
15. ローシュ伯爵
16. ポアロ事件を論ず
17. 貴族的な紳士
18. デリク・ケッタリングの朝食
19. 意外な訪問者
20. キャザリンと仲よくなったお友だち
21. テニス・コートで
22. パポポラスの朝食
23. 新しい理論
24. ポアロの忠告
25. 無視
26. 警告
27. ミレールとの会見
28. ポアロ、リスになる
29. 故郷からの手紙
30. ミス・ヴァイナーの判断
31. アーロンズ氏の朝食
32. キャザリンとポアロの意見交換
33. 新しい推理
34. ふたたび青列車に
35. 説明
36. 海辺にて
登場人物
エルキュール・ポアロ | 私立探偵 |
ルーファス・ヴァン・アルディン | アメリカの億万長者 |
ルス・ケッタリング | ルーファスの娘 |
デリク・ケッタリング | ルスの夫 |
リチャード・ナイントン少佐 | ルーファスの秘書 |
アルマン・ローシュ | ルスの恋人。伯爵 |
ミレール | ステージ・ダンサー |
キャザリン・グレイ | 女遺産相続人 |
タムリン子爵夫人 | マルグリット荘主人。キャザリンの従姉 |
チャールズ・エヴァンズ | 子爵夫人の夫 |
レノックス・タムリン | 子爵夫人の娘 |
アダ・ベアトリス・メイソン | ルスの女中 |
デメトリウス・パポポラス | パリの骨董商。ギリシア人 |
ジア・パポポラス | パポポラスの娘 |
コー | フランスの警察署長 |
カレージュ | 予審判事 |
ゴビイ | 情報屋 |
ジョージ | ポアロの従僕 |
パベット | デリク・ケッタリング従僕 |
ハリソン | セント・メアリ・ミード医師 |
オルガ・デミロフ | パリの娼婦 |
翻訳履歴
1927 「列車殺人事件」松本恵子訳 『探偵、犯罪実話』連載
19?? 「青列車事件」松本恵子訳 『犯罪公論』連載
1954 『青列車殺人事件』松本恵子訳 日本出版協同(異色探偵小説選集10) 解説:あとがき
1955 『青列車殺人事件(ポワロ探偵シリーズ1)』松本恵子訳 大日本雄弁会講談社 解説:松本恵子「クリスチー女史とポワロ探偵」
1959 『青列車の秘密』田村隆一訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(484)
1959(1975) 『青列車の謎』長沼弘毅訳 創元推理文庫 訳者あとがき
1959(1977) 『青列車の謎』長沼弘毅訳 創元推理文庫 訳者あとがき
1979(1987) 『青列車の謎』長沼弘毅訳 創元推理文庫 訳者あとがき 表紙:ひらいたかこ ISBN:9784488105174
1966 『青列車殺人事件』松本恵子訳 角川文庫 訳者あとがき
1966(1975) 『青列車殺人事件』松本恵子訳 角川文庫 訳者あとがき
1966(1979) 『青列車殺人事件』松本恵子訳 角川文庫 訳者あとがき
1968 『青列車の謎』常盤新平訳 ポプラ社(ジュニア世界ミステリー6)
1976 『青列車の謎』久万嘉寿恵訳 講談社文庫
1982 『青列車の秘密』田村隆一訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-64) 解説:田村隆一「「青列車」に乗って」 表紙:真鍋博 ISBN:9784150700645
1983 『ブルートレイン殺人事件』中村妙子訳 新潮文庫 解説:中村妙子 ISBN:9784102135082
1987 「青列車の謎」『エルキュル・ポアロ』久万嘉寿恵、原百代/訳 講談社
1988 『ブルートレイン殺人事件』班目三保文 ポプラ社文庫 絵:村井香葉
2004 『青列車の秘密』青木久恵訳 早川書房(クリスティー文庫5) 解説:北上次郎 ISBN:9784151300059