
英初版:Collins 1954年
米初版:Dodd, Mead 1955年(米国版タイトル:So Many Steps to Death)
内容

東西の冷戦でふたつに引き裂かれているヨーロッパ。その西側陣営で科学者たちが次々に失踪していた。いままた、めざましい成果をおさめた科学者ベタートンが行方不明となる。東側の陰謀か、誘拐か? 事件を追う英国情報部は、ベタートンの妻に瓜ふたつの女性をスパイとして敵地に放つ……会心の冒険スパイ小説。
(早川書房 クリスティー文庫)

東西の冷戦下の西側陣営において核分裂研究の重要人物が次々と失踪していった。そして今、ZE核分裂という新しい原子力にめざましい成果をおさめた科学者ベタートンが行方を絶った。どこへ消えたのか。共産国側の仕業なのか。イギリス情報部は必死の捜索を開始し、やがてベタートン夫人に瓜こつの女性が身代りスパイとなって、極秘裡に未知の目的地へと潜入した!本格物にまさるとも劣らぬ女史会心のスパイ・スリラー
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)
登場人物
トーマス・ベタートン | 失踪した原子科学者 |
オリーヴ・ベタートン | トーマスの後妻 |
ボリス・グリドル | 少佐。トーマスの従兄弟 |
カルヴィン・ベイカー | 旅行者 |
ミス・ヒザーリントン | 同上 |
アンリ・ローリエ | 観光客。フランス人 |
アリスタイディーズ | 石油王 |
アンドリュー(アンディ)・ピーターズ | 化学者 |
トリキル・エリクソン | 物理学者 |
ヘルガ・ニードハイム | 内分泌医学の大家 |
ルイ・バロン | 細菌学者 |
ポール・ヴァン・ハイデム | オランダ人の大男。医師 |
ドクター・ニールソン | 副総裁 |
サイモン・マーチソン | 科学者 |
ビアンカ・マーチソン | サイモンの妻 |
ヒラリー・クレイヴェン | 自殺志望の女 |
ジェソップ | イギリス情報部の部員 |
レブラン | フランス情報部員。ジェソップの親友 |
翻訳履歴
1955 『死への旅』妹尾アキ夫訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(227)
1955(1971) 『死への旅』妹尾アキ夫訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(227)
1977 『死への旅』高橋豊訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-24) 解説:数藤康雄「クリスティーの冒険ミステリを読む楽しさ」 表紙:真鍋博 ISBN:4150700249
2004 『死への旅』奥村章子訳 早川書房(クリスティー文庫90) 解説:中辻理夫「彼女なりのタフネス」 ISBN:9784151300905