
英初版:Collins 1943年
米初版:Dodd, Mead 1942年(米国版タイトル:Murder in Retrospect)
内容

16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです……娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは? 過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る! (解説:千街晶之)
(早川書房 クリスティー文庫)

時に埋もれた過去がいま甦った!ポアロを訪問した娘カーラの母は16年前夫殺しの罪で死刑を宣告されており、それがもとでカーラは幸せな結婚を阻まれていた。母の無実が立証されないかぎり、娘には永久に幸福が訪れない……その真摯な訴えに心を動かされ、調査に乗り出すポアロの前に、過去の事件は徐々に新しい素顔を……マザー・グースを彷彿とさせる五人の容疑者の手記を通して、灰色の脳細胞があばき出す意外な真相!
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)
目次
- まえおき
- カール・ルマルション嬢の訪問
- 第一部
- 1. 弁護人の話
2. 告訴弁護人の話
3. 青年弁護士の話
4. 老弁護士の話
5. ヘイル元警視
6. この子豚はマーケットへ行った
7. この子豚は家にいた
8. この子豚はロースト・ビーフを食べた
9. この子豚は何も持っていなかった
10. この子豚は“ウィー、ウィー、ウィー”と鳴く - 第二部
- フィリップ・ブレイクの物語
メレディス・ブレイクの物語
ディティシャム卿夫人の物語
セシリア・ウイリアムズの物語
アンジェラ・ウォレンの物語 - 第三部
- 1. 結末
2. ポアロの五つの質問
3. 再建
4. 真相
5. 結末
登場人物
カーラ・ルマルション | 事件の依頼者。アミアス・クレイルの娘 |
アミアス・クレイル | 画家。カーラの父 |
カロリン・クレイル | アミアスの妻 |
エルサ・グリヤー | アミアスの愛人 |
フィリップ・ブレイク | アミアスの親友。株の仲買人 |
メレディス・ブレイク | 地主。フィリップの兄 |
アンジェラ・ウォレン | カロリンの異母妹 |
セシリア・ウイリアムズ | アンジェラの家庭教師 |
モンタギュー・ディプリーチ卿 | 勅撰弁護士 |
クエンティン・フォッグ | 同上 |
ジョージ・メイヒュー | 弁護士 |
ケイレブ・ジョナサン | クレイグ家顧問弁護士 |
ヘイル | 元警視 |
エルキュール・ポアロ | 私立探偵 |
映像化
- 五匹の子豚 Five Little Pigs
- 「名探偵ポワロ」Agatha Christie's POIROT IX
- 放送:(英ITV):2003年12月14日 (NHK)2005年8月25日
- 監督:ポール・アンウィン 脚本:ケビン・エリオット
- 出演: デビッド・スーシェ(ポワロ)、 エイミー・マリンズ(ルーシー)、 ジュリー・コックス(エルサ・グリヤー)、 レイチェル・スターリング(キャロライン)、 エイダン・ギレン(アミアス)、 ソフィー・ウィンクルマン(アンジェラ)、 トビー・スティーブンス(フィリップ)、 マーク・ウォーレン(メレディス)、 ジェマ・ジョーンズ(ウィリアムズ)、 パトリック・マラハイド(ディプリーチ)、 タルラ・ライリー(若い頃のアンジェラ)
-
- 五匹の子豚 Cinq petits cochons
- 「アガサ・クリスティーのフレンチ・ミステリー」Les Petits Meurtres d'Agatha Christie
- 放送(France2):2011年4月8日
- 監督:エリック・ウォレット 脚本:シルビー・サイモン
- 出演:アントワーヌ・デュレリ(ラロジエール警視)、マリウス・コルッチ(ランピオン刑事)、Julia Vaidis-Bogard、ヴィンセント・ヴィンターハルター、Michel Müller、Prune Beuchat、エグランティーヌ・ランボヴィル、Claudine Vigreux、Gabrielle Atger、Marine Mendes
翻訳履歴
1957 『五匹の子豚』桑原千恵子訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(305)
1977 『五匹の子豚』桑原千恵子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-21) 解説:「回想の殺人」 表紙:真鍋博 ISBN:9784151300219
2003 『五匹の子豚』桑原千恵子訳 早川書房(クリスティー文庫21) 解説:千街昌之
2010 『五匹の子豚』山本やよい訳 早川書房(クリスティー文庫21) 解説:千街昌之 表紙:真鍋博 ISBN:9784151300219
2010 『五匹の子豚』山本やよい訳 早川書房(クリスティー文庫21) 解説:千街昌之 ISBN:9784151310218
戯曲版
殺人をもう一度 Go Back for Murder
内容

――16年前の毒殺事件。夫殺しで終身刑の判決をうけたキャロリンは、3年後獄死した。月日は流れ……。キャロリンは娘のカーラが21歳になったら渡すようにと、1通の手紙を残していた。母の死の真相を知ったカーラは、弁護士事務所を訪ねた。“母は殺していない!母の無実を証明してほしい”そして、犯行現場の邸に、事件当時の関係者5人が呼び集められて……。――名作『五匹の子豚』を著者自身が脚色、初の単行本化。
(光文社文庫)
初演
1960年3月23日 ダッチェス・シアター(ロンドン)
場面
第一幕 | ロンドン |
第一場 | 弁護士の事務所 |
第二場 | シティーの事務所 |
第三場 | ホテルの続き部屋の一室 |
第四場 | ワンルームのアパート |
第五場 | レストランのテーブル |
第二幕 | イングランド西部のある家 |
登場人物
ジャスティン・フォッグ | 弁護士 |
ターン・ボール | 弁護士事務所の事務員 |
カーラ(ミス・ル・マルシャン) | 依頼人 |
ジェフ・ロジャーズ | カーラの婚約者 |
フィリップ・ブレイク | エイミアスの友人 |
メレディス・ブレイク | エイミアスの友人 |
レディー・メルクシャム(エルザ・グリーア) | エイミアスの愛人 |
ミス・ウイリアムズ | アンジェラの家庭教師 |
アンジェラ・ウォレン | キャロリンの異父妹 |
キャロリン・クレイル | カーラの母 |
エイミアス・クレイル | カーラの父 |
国内上演
- ◇殺人現場へもう一度
- 2002年/江戸川区総合市民ホール/劇団フーダニット
- 演出:松坂晴恵
- 出演:酒句ゆりか(カーラ・クレイル&キャロリン・クレイル)、、妹尾光徳(ジャスティン・フォッグ)、縄倉賢一郎(エイミアス・クレイル)、奥恭子(エルザ・グリーア)、平正時(メレディス・ブレイク)、川崎拓己(フィリップ・ブレイク)、橘沙織(アンジェラ・ウォレン)、高長はんな(ミス・ウィリアムズ)、松坂晴恵(ミス・ウィリアムズ)、鈴木スズコ(ターンボール)、多田洋(ジェフ・ロジャース)、宝田昭男、先崎望紀子
- ◇殺人をふたたび
- 2011年/日本橋劇場/演劇集団たつのおとしご会
- 演出:佐藤修
- 出演:佐藤せつお(アミアス)、森秋子(カロライン、カーラ)、花輪和枝(エルサ)、高橋正彦(ジャスティン)
翻訳履歴
1986 「殺人をもう一度」深町眞理子訳『EQ』1986年1月号
1988 『殺人をもう一度』 深町眞理子訳 光文社文庫