
英初版:Collins 1931年
米初版:Dodd, Mead 1931年(米国版タイトル:Murder at Hazelmoor)
内容

雪に覆われ下界と遮断されたシタフォード村の山荘。そこに集まった隣人たちが退屈しのぎに降霊会を試みる。現われた霊魂は、はるかふもとの村に住む老大佐の殺害を予言した! 駆けつけると、大佐は撲殺されており、しかも殺害時刻は、まさに降霊会の最中だった……絶妙のトリックが冴える会心作。
(早川書房 クリスティー文庫)

雪に覆われ、下界と遮断されたシタフォード山荘で戯れに行なわれた降霊会。そこへ現われた霊魂は不気味な予言を告げた。山荘の持ち主であり、現在は片道二時間のふもとの村に住む老大佐が殺害されるというのだ。はたして同時刻大佐は死体となって発見された!難航する捜査と試行錯誤のはてにやがて明らかになる意外な犯人と動機とは?発表されるや、その絶妙なトリックで、ミステリ・ファンを瞠目させた女史の会心作。
(早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫)

雪に埋もれた山荘に集まった六人の男女。霊媒占いゲームでの殺人発生の無気味なお告げと突発的な殺人事件。現場は山荘から片道二時間のところで、凶行時刻は占いの時刻と符合した。難航する捜査。犯人ははたして誰か? 謎につつまれた雪のシタフォード山荘。特異な犯行動機と本格的なトリックで読者をうならせる、クリスティの流麗円熟作。
(東京創元社 創元推理文庫)
目次
1. シタフォード荘
2. メッセージ
3. 5時25分
4. ナラコット警部
5. エヴァンズ
6. スリー・クラウン館にて
7. 遺言書
8. チャールズ・エンダビイ氏
9. ローレル館
10. ピアソン家
11. エミリー、仕事にとりかかる
12. 逮捕
13. シタフォード
14. ウィリット家
15. バーナビ少佐を訪ねる
16. ライクラフト氏
17. パーシハウス老嬢
18. エミリー、シタフォード荘へ
19. いくつかの仮説
20. ジェニファ伯母を訪ねる
21. 会話〈カンバセイションズ〉
22. チャールズの夜の冒険
23. ヘイゼルムアにて
24. ナラコット警部、事件を論じる
25. デラーズ・カフェにて
26. ロバート・ガードナー
27. ナラコット警部、行動開始
28. ブーツ
29. 二度目の降霊会
30. エミリー、説明する
31. ラッキー・マン
登場人物
ジョセフ・アーサー・トリヴィリアン | シタフォード荘所有者。海軍大佐 |
ジョン・エドワード・バーナビ | トリヴィリアン大佐親友。少佐 |
ウィリット夫人 | シタフォード荘の住人 |
ヴァイアリット・ウィリット | ウィリット夫人の娘 |
エヴァンズ | 大佐の下男 |
リベッカ | エヴァンズの妻 |
ワイアット | 大尉。病人 |
ライクラフト | 心霊会会員。博物学者 |
キャロライン・パーシハウス | シタフォード荘隣人 |
カーティス | シタフォード荘園丁 |
メアリ・カーティス | カーティスの妻 |
デューク | シタフォード荘隣人 |
ロナルド(ロニー)・ガーフィールド | キャロラインの甥 |
ベリング夫人 | スリー・クラウン館の女主人 |
ジェニファ・ガードナー | トリヴィリアン大佐妹 |
メリー・ピアソン | トリヴィリアン大佐妹 |
ロバート・ガードナー | ジェニファの夫 |
シルヴィア・ディアリング | メリーの娘 |
ジェイムズ(ジム)・ピアソン | メリーの息子。保険会社勤務 |
ブライアン・ピアソン | メリーの息子。オーストラリア在 |
マーティン・ディアリング | 小説家。シルヴィアの夫 |
エミリー・トリフューシス | ジム・ピアソンの婚約者 |
チャールズ・エンダビイ | デイリー・ワイヤー紙記者 |
ナラコット | 警部 |
ウィリアムスン | エクスハンプトンの周旋屋 |
ウォーリン | エクスハンプトンの医師 |
ダクレス | エミリー・トリフューシス顧問弁護士 |
ビアトリス | ローレル館女中 |
ポロック | エクスハンプトン署巡査部長 |
映像化
- シタフォードの謎 The Sittaford Mystery
- 「アガサ・クリスティー ミス・マープル」Agatha Christie's MARPLE Series 2
- 放送(英ITV):2006年4月30日
- 監督:ポール・アンウィン 脚本:スティーブン・チャーチェット
- 出演: ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、 マイケル・ブランドン(ジマーマン)、 ローレンス・フォックス(ジム・ピアソン)、 ロバート・ハーディ(チャーチル)、 パトリシア・ホッジ(ミセス・ウィレット)、 ポール・ケイ(バート)、 マシュー・ケリー(ジョーンズ)、 ジェフリー・キッスーン(ガリ)、 キャリー・マリガン(ヴァイオレット)、 ジェームズ・マリー(チャールズ)、 メル・スミス(エンダービイ)、 ゾーイ・テルフォード(エミリー)、 リタ・トゥシンハム(ミス・パークハウス)、 ジェームズ・ウィルビー(カークウッド)、 ティモシー・ダルトン(トレヴェリアン)、 イアン・ハラード
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- Mélodie mortelle
- 「アガサ・クリスティーの謎解きゲーム」Les Petits Meurtres d'Agatha Christie
- 放送:2018年9月28日
- 演出:Christophe Campos 脚本:Sylvie Simon
- 出演:サミュエル・ラバルト、ブランディーヌ・ベラヴォア
翻訳履歴
1939 『吹雪の山荘』膳所信太郎訳 紫文閣
1952 『山荘の秘密』田村隆一訳 早川書房 訳者あとがき
1956 『シタフォードの秘密』田村隆一訳 ハヤカワ・ポケットミステリ(262)
1956 「シタフォードの謎」鮎川信夫訳『世界推理小説全集 21』東京創元社
1965(1974) 『シタフォードの謎』鮎川信夫訳 創元推理文庫
1965(19??) 『シタフォードの謎』鮎川信夫訳 創元推理文庫 表紙:ひらいたかこ ISBN:9784488105228
1966(1972) 『ハーゼルムアの殺人』能島武文訳 角川文庫 訳者あとがき
1966(1976) 『ハーゼルムアの殺人』能島武文訳 角川文庫 訳者あとがき
1985 『シタフォードの秘密』田村隆一訳 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-81) 解説:田村隆一「動機の独創性」 表紙:真鍋博 ISBN:4150700818
2004 『シタフォードの秘密』田村隆一訳 早川書房(クリスティー文庫76) 解説:飛鳥部勝則「フーダニットの女王あるいは降霊会効果」 ISBN:4151300767