ひらいたトランプ
Cards on the Table

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“エルキュール・ポアロ”シリーズの長編13作目。レイス大佐は2度目、バトル警視は3度目の登場。
1936年11月、Collins社から刊行された。 米国では1936年、The Saturday Evening Post (2 May ~ 6 June 1936)に連載の後、1937年にDodd, Mead社から刊行されている。
日本語初訳は1957年の『ひらいたトランプ』(加島祥造訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。

早川書房

(日本語版翻訳権独占)
1957
ひらいたトランプ
加島祥造訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(338)
犯罪研究家ミスタ・シャイタナの趣味は、どう見てもグロテスクだった。 彼の好んでするスポーツは社会の裏に潜んでいる犯罪者を見出して、警察より一歩お先に、人形遣いよろしく、彼らを樹上から吊るすことだった。 そのシャイタナ氏が殺されたのだ。 しかも、ポアロの面前で! それは、一夜、シャイタナ氏の豪壮な邸宅で開かれたブリッジ・パーティの席上だった。 招かれた五人の男女の中に殺人者がいる! ポアロは、殺人者の無言の挑戦をひしひしと感じるのだった。 名探偵エルキュール・ポアロが、ブリッジのスコア表を見ながら殺人事件の推理をして、ついに謎を解き明すという、数あるポアロものの中でも、特に異色ある傑作である。 クリスティーの諸作中、本書を最高傑作とする評者が多いが、日本人にはなじみの薄いブリッジが重要な役割を果すため、これまで出るべくして訳書が出なかった。 本書はブリッジに詳しい訳者を得て、巻末にブリッジの遊び方を解説、読者の推理の一助として、万全を期した。
第一章 シャイタナ氏/ 第二章 シャイタナ氏の晩餐/ 第三章 ブリッジの勝負/ 第四章 最初の殺人者?/ 第五章 第二の殺人者?/ 第六章 第三の殺人者?/ 第七章 第四の殺人者?/ 第八章 犯人は誰か?/ 第九章 ドクター・ロバーツ/ 第十章 ドクター・ロバーツ(続)/ 第十一章 ロリマー夫人/ 第十二章 アン・メレディス/ 第十三章 二人目の客/ 第十四章 三人目の客/ 第十五章 デスパード少佐/ 第十六章 エルシ・バットの証言/ 第十七章 ロウダ・ドーズの証言/ 第十八章 幕間のお茶/ 第十九章 協議/ 第二十章 ラクスモア夫人の証言/ 第二十一章 デスパード少佐/ 第二十二章 コンビーカからの証拠/ 第二十三章 絹靴下の語るもの/ 第二十四章 三人の殺人容疑者達を消去?/ 第二十五章 ロリマー夫人は語る/ 第二十六章 真相/ 第二十七章 目撃者/ 第二十八章 自殺/ 第二十九章 事故/ 第三十章 殺人/ 第三十一章 ひらいたトランプ/ 附録 ブリッジの遊び方
1976
ひらいたトランプ
加島祥造訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-2) ISBN:9784150700027
“生きた犯罪コレクションを見せましょう”シャイタナ氏の奇妙な申し出はポアロの興味を惹いた。殺人を犯しながら、告発されないでいる人間たちを集めるというのだ。…不気味なパーティは何事もなく進んだ。食後、シャイタナ氏を除く八人の出席者はニ組に分れてブリッジに熱中した。しかし、ゲームが一段落した時、客間の隅ではシャイタナ氏の刺殺死体が発見された!ブリッジの点数表を通して殺人者の心理を売み、真犯人を追いつめる……エルキュール・ポアロの純粋推理が冴える!クリスティー中期の名作。
序文/ 1. シャイタナ氏/ 2. シャイタナ氏の晩餐/ 3. ブリッジの勝負/ 4. 最初の殺人者?/ 5. 第二の殺人者?/ 6. 第三の殺人者?/ 7. 第四の殺人者?/ 8. 犯人は誰か?/ 9. ドクター・ロバーツ/ 10. ドクター・ロバーツ(続)/ 11. ロリマ―夫人/ 12. アン・メレディス/ 13. 二人目の客/ 14. 三人目の客/ 15. デスパード少佐/ 16. エルシー・バットの証言/ 17. ロウダ・ドーズの証言/ 18. 幕間のお茶/ 19. 協議/ 20. ラクスモア夫人の証言/ 21. デスパード少佐/ 22. コンビーカーでの証拠/ 23. 絹のストッキングの語るもの/ 24. 三人の殺人容疑者たちを消去?/ 25. ロリマー夫人は語る/ 26. 真相/ 27. 目撃者/ 28. 自殺/ 29. 事故/ 30. 殺人/ 31. ひらいたトランプ
解説:高木重朗「ブリッジについて」
表紙:真鍋博
登場人物
シャイタナブリッジの招待主。洒落者
アリアドニ・オリヴァ夫人探偵作家
アン・メレディス可憐な娘
ジェフリー・ロバーツ医者
ロリマー夫人ブリッジ狂の老婦人
ジョニー・レイス大佐。陸軍情報部部長。ポアロ友人
ヒュー・デスパード少佐。探検家。
バトルロンドン警視庁警視
オコナー巡査部長
ラクスモア夫人植物学者の夫人
ロウダ・ドーズメレディスの同居人。ウェンドン荘持ち主
エルキュール・ポアロ私立探偵
2003
ひらいたトランプ
加島祥造訳 早川書房 クリスティー文庫(13) ISBN:9784151300134
名探偵ポアロは偶然から、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。が、ポアロを含めて八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺された。しかも、居合わせた客は殺人の前科をもつ者ばかり……ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む
解説:新保博久「『ひらいたトランプ』解説」

映像化

テレビドラマ
ひらいたトランプ Cards on the Table
2006年 英ITV 「名探偵ポワロ」Agatha Christie's POIROT X |Cards on the Table (2006) on IMDb
監督:セアラ・ハーディング 脚本:ニック・ディア
出演: デビッド・スーシェ(ポワロ)ジェームス・アルパーPhilip Bowenコーデリア・ブゲイア(ラクスモア夫人)ジギ・エリソントリスタン・ゲミル(デスパード少佐)アレックス・ジェニングス(ドクター・ロバーツ)ルーシー・リーマンレスリー・マンヴィル(ロリマー夫人)リンゼイ・マーシャル(メレディス)ジェニー・オギルビーロバート・ピュー(ヒューズ大佐)ダグラス・リースアレクサンダー・シディグ(シェイタナ)ゾーイ・ワナメイカー(ミセス・オリヴァー)ハニーサックル・ウィークスデビッド・ウェストヘッド(ウィーラー警視)フィリップ・ライト(オコナー巡査部長)

ひらいたトランプ
デアゴスティーニ・ジャパン 「名探偵ポワロ DVDコレクション」第14号(2011)
ポワロは富豪シェイタナからパーティーに招待された。呼ばれた客の中には推理小説家でポワロの親友オリバー夫人や、スコットランド・ヤードのウィーラー警視など、旧知の仲間たちもいる。シェイタナは食事の席で犯罪について奇妙な発言をする。食後、皆がトランプゲームに興じている間に、事件が起る……。
■POIROT'S ERA ポワロのいた時代:「カードゲームに魅了されて」「旅行者たちの宝物」「影と光」 /■STAR CAST 撮影の舞台裏 スター紹介:「良き仲間たち」 /■QUEEN OF CRIME ミステリーの女王:「ようやく平和が」
テレビドラマ
ひらいたトランプ Cartes sur table
2014年 France2 「アガサ・クリスティーの謎解きゲーム」Les Petits Meurtres d'Agatha Christie |Cartes sur table (2014) on IMDb
監督:エリック・ウォレット 脚本:シルヴィ・シモン
出演: サミュエル・ラバルト(ロランス警視)ブランディーヌ・ベラヴォア(アリス)エロディ・フランクサイード・アマディス(シャイタナ)アン・カノーバスクエンティン・バイヨアルバン・ルノワール(クペ)ゲッド・マルロン(ジューブ)オーレリア・ポワティエドミニク・トマ(トリカール警視正)フランソワ・ゴダールEric Beauchampフローレンス・マシュールソフィー・ブルドンCamille Dupond
映画
Chorabali
2016年 インド |Chorabali (2016) on IMDb
監督:Subhrajit Mitra
出演: バルン・チャンダTanushree Chakrabortyジョージ・ベイカーLocket ChatterjeeShataf Figar

戯曲版

Cards on the Table

レスリー・ダーボンによる劇化。初演:1981年12月9日 ヴォードヴィル・シアター(ロンドン)