青列車の秘密
The Mystery of the Blue Train

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クリスティの長編8作目となるミステリ小説。 エルキュール・ポアロのシリーズ(長編)としては5作目にあたる。
1928年、The Star (1 February ~ 15 March 1928)連載の後、同年3月にCollins社から刊行された。 米国版も同年Dodd, Mead社から刊行。
日本語初訳は1954年の『青列車殺人事件』(松本恵子訳 日本出版協同)。

初期の邦訳

1954
青列車殺人事件
松本恵子訳 日本出版協同 異色探偵小説選集(10)
一章 白髮の男/ 二章 侯爵様/ 三章 火焔の心臟/ 四章 カーゾン街/ 五章 役に立つ男/ 六章 ミレイユ/ 七章 手紙/ 八章 タムリン伯爵夫人/ 九章 拒絶/ 十章 青列車の上で/ 十一章 殺人/ 十二章 マガレット荘/ 十三章 オルデン電報を受取る/ 十四章 メイゾンの話/ 十五章 ローシ伯爵/ 十六章 ポアロ事件を論ず/ 十七章 貴族的紳士/ 十八章 ケッタリング昼食をする/ 十九章 意外な訪問者/ 二十章 キャサリン友逹を作る/ 二十一章 テニスコートで/ 二十二章 パポポラスの朝食/ 二十三章 新しい説/ 二十四章 ポアロの忠告/ 二十五章 挑戦/ 二十六章 警告/ 二十七章 ミレイユとの会見/ 二十八章 ポアロ、リスの役を演じる/ 二十九章 故郷からの便り/ 三十章 バイナー夫人の判断/ 三十一章 アーロンズは語る/ 三十二章 キャサリンとポアロの意見交換/ 三十三章 新しい理論/ 三十四章 再び青列車で/ 三十五章 説明/ 三十六章 海辺で/ あとがき

講談社

1955
青列車殺人事件
松本恵子訳 大日本雄弁会講談社 ポワロ探偵シリーズ(1)
謎の侯爵(白髪の男/侯爵様/火焔の心臓/カーゾン街/役に立つ男/ミレイユ/手紙/タムリン伯爵夫人/キャザリン、弁護士に逢う/拒絶)/ ポワロ登場(青列車の上で/殺人/マガレツト荘/オルデン、電報を受取る/メイゾンの話/ローシ伯爵/ポワロ事件を論ず)/ ローシ伯爵出頭(貴族的紳士/ケツタリング、昼食をする/意外な訪問者/キャザリン、友達を作る/テニスコートで/パポポラスの朝食/新しい説/ポワロの忠告/挑戦)/ 二人の求婚者(警告/ミレイユとの会見/ポワロ、栗鼠の役を演じる/故郷からの便り/バイナー嬢の判断/アーロンズは語る/キャザリンとポワロの意見交換/新しい理論/再び青列車で/説明/海辺で)
解説:松本恵子「クリスチー女史とポワロ探偵」
1976
青列車の謎
久万嘉寿恵訳 講談社 講談社文庫
ロンドンとリベイラを結ぶ特急、青列車の中でアメリカの大富豪の娘ケッタリング夫人が殺害され、名宝「ほのおの心臓」が盗まれた。 ルビーの名玉をめぐる新たな犠牲者だ。 重要関係者には、破産寸前のその夫、夫人の愛人、謎の侯爵などが浮んでいる。 列車内の密室殺人の現場に乗り合わせたポアロが挙げる真犯人は?
1987
青列車の謎
久万嘉寿恵訳 『エルキュル・ポアロ』所収 各務三郎・数藤康雄編 講談社 ISBN:9784062034043
ミステリーの女王アガサ・クリスティー描く珠玉の作品「スタイルズ荘の怪事件」「ゴルフ場殺人事件」「アクロイド殺害事件」「青列車の謎」「オリエント急行殺人事件」「ABC殺人事件」の6編を収録。 世界を舞台に活躍するポアロをよろしく。
解説:「ポアロとクリスティーの横顔」


早川書房

1959
青列車の秘密
田村隆一訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(484)
死と暴力の影をひそめる魔の宝石――「火の心」と呼ばれる妖しくも美しいルビーは、幾世紀かの眠りから覚めて、ふたたび犠牲者の血を求めた! 犠牲者は、美しいアメリカ女、億万長者オルデンの娘ルスだった。 彼女のしなやかな首を絞めたのは誰の手か? 宝石は、果して殺人の真の動機だったのか? それとも、たんなる偽装なのか…… 警察は、同じ車内から、たちまち有力な容疑者を発見した。 殺されたルスの夫と、愛人と、夫の情婦のフランス女の三人だった。 しかし――たまたま同じ列車に乗りこんでいた名探偵エルキュール・ポアロは、そのいずれをも、断乎として否定するのだった。 では犯人はどこにいるのか? エルキュール・ポアロの卵形の頭脳の中に、映っている犯人の姿は果して女か?男か? ロンドン――リヴェラ間の特別急行列車ブルウ・トレインの車内に起きた奇怪な殺人! 運命のルビーにまつわる密室殺人の謎を、エルキュール・ポアロの灰色の脳細胞がどう解くか? ポアロもの中の逸品と諸批評家絶讃の名作!
第一章 白髪の男/ 第二章 侯爵/ 第三章 火の心/ 第四章 カーゾン街にて/ 第五章 役に立つ男/ 第六章 ミレイユ/ 第七章 手紙/ 第八章 タムリン子爵夫人の手紙/ 第九章 拒絶/ 第十章 青列車にて/ 第十一章 殺人/ 第十二章 マーガレット荘にて/ 第十三章 ヴァン・オルデンへの電報/ 第十四章 アダ・メイソンの話/ 第十五章 ローシュ伯爵/ 第十六章 ポアロ事件を論ず/ 第十七章 貴族的な紳士/ 第十八章 デリク・ケッタリングの昼食/ 第十九章 意外な訪問者/ 第二十章 キャザリンと仲よくなつたお友だち/ 第二十一章 テニス・コートにて/ 第二十二章 パポポラスの朝食/ 第二十三章 新しい理論/ 第二十四章 ポアロの忠告/ 第二十五章 無視/ 第二十六章 警告/ 第二十七章 ミレイユとの会見/ 第二十八章 ポアロ、リスになる/ 第二十九章 故郷からの手紙/ 第三十章 ミス・ヴァイナーの判断/ 第三十一章 アーロンズ氏の昼食/ 第三十二章 キャザリンとポアロの意見交換/ 第三十三章 新しい推理/ 第三十四章 ふたたび青列車に/ 第三十五章 説明/ 第三十六章 海辺にて
1982
青列車の秘密
田村隆一訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-64) ISBN:9784150700645
リヴィエラ行き豪華列車〈青列車〉で陰惨な事件が起った。大富豪令嬢ルスが、客室内で顔面を殴られ絞殺されたうえ、高価なルビーを盗まれたのだ。ロシア女帝の冠を飾ったといういわくつきの代物だ。警察は列車に乗り合せたポアロに調査を依頼する一方、恋人と青列車に乗っていたルスの夫を逮捕した。彼は必死の弁明に努めるが、妻の客室にはいるのを目撃された事実はいかんともしがたい。再び忌わしき青列車に乗り込んだポアロが指摘した意外な犯人とは?『オリエント急行の殺人』と並び、ポアロが列車内の純粋推理を展開する初期の意欲作!
解説:田村隆一「「青列車」に乗って」
1. 白髪の男/ 2. 侯爵/ 3. 〈火の心〉/ 4. カーゾン街にて/ 5. 役に立つ男/ 6. ミレール/ 7. 手紙/ 8. タムリン子爵夫人の手紙/ 9. 拒絶/ 10. 青列車にて/ 11. 殺人/ 12. マルグリッド荘にて/ 13. ヴァン・アルディンへの電報/ 14. アダ・メイソンの話/ 15. ローシュ伯爵/ 16. ポアロ事件を論ず/ 17. 貴族的な紳士/ 18. デリク・ケッタリングの朝食/ 19. 意外な訪問者/ 20. キャザリンと仲よくなったお友だち/ 21. テニス・コートで/ 22. パポポラスの朝食/ 23. 新しい理論/ 24. ポアロの忠告/ 25. 無視/ 26. 警告/ 27. ミレールとの会見/ 28. ポアロ、リスになる/ 29. 故郷からの手紙/ 30. ミス・ヴァイナーの判断/ 31. アーロンズ氏の朝食/ 32. キャザリンとポアロの意見交換/ 33. 新しい推理/ 34. ふたたび青列車に/ 35. 説明/ 36. 海辺にて
表紙:真鍋博
登場人物
エルキュール・ポアロ私立探偵
ルーファス・ヴァン・アルディンアメリカの億万長者
ルス・ケッタリングルーファスの娘
デリク・ケッタリングルスの夫
リチャード・ナイントン少佐ルーファスの秘書
アルマン・ローシュルスの恋人。伯爵
ミレールステージ・ダンサー
キャザリン・グレイ女遺産相続人
タムリン子爵夫人マルグリット荘主人。キャザリンの従姉
チャールズ・エヴァンズ子爵夫人の夫
レノックス・タムリン子爵夫人の娘
アダ・ベアトリス・メイソンルスの女中
デメトリウス・パポポラスパリの骨董商。ギリシア人
ジア・パポポラスパポポラスの娘
コーフランスの警察署長
カレージュ予審判事
ゴビイ情報屋
ジョージポアロの従僕
パベットデリク・ケッタリング従僕
ハリソンセント・メアリ・ミード医師
オルガ・デミロフパリの娼婦
2004
青列車の秘密
青木久恵訳 早川書房 クリスティー文庫(5) ISBN:9784151300059
走行中の豪華列車〈ブルー・トレイン〉内で起きた陰惨な強盗殺人。警察は被害者の別居中の夫を逮捕した。必死に弁明する夫だが、妻の客室に入るところを目撃されているのだ。だが、偶然同じ電車に乗り合わせたことから、事件の調査を依頼されたポアロが示した犯人は意外な人物だった! 新訳でおくる初期の意欲作。
解説:北上次郎

東京創元社

1959
青列車の謎
長沼弘毅訳 東京創元社 創元推理文庫(105-17)
ロンドン=リヴィエラ間の特別急行列車の中で、美貌の富豪夫人が殺された。〈焔の心臓〉といわれるルビーの名玉をめぐる、新しい犠牲者だった。関係者は、破産に瀕した夫、女たらしの愛人、謎の〈侯爵〉。列車内という密室殺人の現場に乗り合わせたのは、ご存知エルキュール・ポワロ。カジノのルーレットがまわり、ポワロの脳細胞もまわりだす!
1 白髪の男/ 2 侯爵/ 3 焰の心臓/ 4 カーゾン街にて/ 5 役に立つ男/ 6 ミレーユ/ 7 手紙/ 8 タムリン伯爵夫人の手紙/ 9 拒絶/ 10 青列車/ 11 殺人/ 12 マルゲリート荘/ 13 オルダン、電報を受け取る/ 14 アダ・メイゾンの話/ 15 ローシュ伯爵/ 16 ポワロの意見/ 17 貴族的紳士/ 18 デリク、昼食をとる/ 19 意外な客/ 20 キャザリンの新しい友だち/ 21 テニスコートにて/ 22 パポポラスの朝食/ 23 新しい理論/ 24 ポワロの忠告/ 25 挑戦/ 26 警告/ 27 ミレーユとの会見/ 28 ポワロ、りすになる/ 29 故郷からの便り/ 30 ヴァイナー老嬢の判断/ 31 アーロンズの昼食/ 32 ポワロ、キャザリンと意見を交換す/ 33 新しい理論/ 34 ふたたび青列車にて/ 35 説明/ 36 海辺にて/ あとがき

1975年
1977年
1987年
表紙:ひらいたかこ
ISBN:9784488105273

角川書店

1966
青列車殺人事件
松本恵子訳 角川書店 角川文庫
ロンドン・パリ経由、リビエラ間大陸横断豪華列車“青列車”内で、米国の大富豪の一人娘ルス・ケッタリングが殺害された。 犯人はルスが持っていた莫大な価格の宝石、“火焔の心臓”を奪っていた。 さらに偶然にも同列車内にルスの夫が乗りあわせていたことは、何を意味するのか…… 御存知ポワロ探偵の登場によって謎解きが始まる。

1975年
1979年

その他の出版社

1968
青列車の謎
常盤新平訳 ポプラ社 ジュニア世界ミステリー(6)
白髪の男/ 火の心/ あやしい微笑/ 灰色のひとみ/ あたらしい出発/ 深夜の人影/ 青列車の殺人/ ふしぎないんねん/ ポアロの意見/ 伯爵の登場/ くさい人物/ キャサリンのお友だち/ 精霊のおしえ/ ミレイユとの会見/ ある、てがかり/ アリバイくずれる/ あと一歩/ 意外な犯人/ ポアロの名推理/ 解説
1983
ブルートレイン殺人事件
中村妙子訳 新潮社 新潮文庫 ISBN:9784102135082
リヴィエラ行き豪華特急ブルートレインの中で、アメリカの億万長者の娘が惨殺され、宝石箱が盗まれた。 調査の結果、被害者の夫が愛人とともにこの列車に乗っており、そのうえ事件の直前に妻の客室に入るところを目撃されていた。 警察は彼を逮捕するが、偶然乗り合せたポアロは意外な推理を展開する――。 運命のルビー“ハート・オヴ・ファイア”にまつわる奇怪な密室殺人事件。
解説:中村妙子
1988
ブルートレイン殺人事件
班目三保文 ポプラ社 ポプラ社文庫
ニースにむかうブルートレインのなかで、婦人が殺された!しかも、高価な宝石がはいっていた赤いケースが消えていた。ブルートレイン殺人事件の真相に、名探偵ボワロは、どこまで迫るか?アガサ・クリスティの代表的推理小説。
絵:村井香葉

映像化

テレビドラマ
青列車の秘密 The Mystery of the Blue Train
2006年 英ITV 「名探偵ポワロ」Agatha Christie's POIROT X |The Mystery of the Blue Train (2005) on IMDb
監督:ヘティ・マクドナルド 脚本:ガイ・アンドルーズ
出演: デビッド・スーシェ(ポワロ)ジェームズ・ダーシー(デレック)アリス・イヴ(レノックス)ニコラス・ファレル(ナイトン)ブロナー・ギャラガー(メイソン)トム・ハーパージェーン・ハウサミュエル・ジェームズオリバー・ミルバーン(ローシュ)ジェイミー・マリー(ルース)ロジャー・ロイド=パック(コー)ジョージナ・ライランス(キャサリン)ジョゼッテ・サイモン(ミレール)リンゼイ・ダンカン(タンプリン夫人)エリオット・グールド(ルーファス)

青列車の秘密
デアゴスティーニ・ジャパン 「名探偵ポワロ DVDコレクション」第3号(2011)
ポワロは親しくなったキャサリン・グレイと共に、豪華列車ブルートレインでニースへ向かう。キャサリンはつい最近、巨額な遺産を相続したばかりだ。同じ列車にはアメリカ人富豪ルーファスの娘ルース、そしてルースと別居中の夫、さらには彼女の浮気相手も乗ってきた……。アガサ・クリスティー初期の意欲作。
■POIROT'S ERA ポワロのいた時代:「青列車(ブルートレイン)」「ヨーロッパのアメリカ人」「美と輝きの宝石」 /■STAR CAST 撮影の舞台裏 スター紹介:「エリオット・グールド」「リンゼイ・ダンカン」ほか /■QUEEN OF CRIME ミステリーの女王:「一家のフランスへの旅」